NEC FC-S21Wにて修理の案件です。

ご依頼内容:産業用システムにて停電後からPCが起動しなくなった。できれば元の環境を復元したい。本体をご送付頂き調査・修理対応。
対応内容:
 (1)PC内部部品の検査(メモリ・HDD・電源・マザーボード・接続デバイス等)と故障箇所特定。
 (2)お客様と修理方針の打合せ。
 (3)修理実施・合わせて内外清掃実施。
 (4)試験実施(単体機能試験・ランニング試験)。
結果:
 (1)HDDのMBRに障害を認めた。念のためその他の故障をチェック。メモリ、電源の出力電圧、マザーボード、接続デバイスなどを診断治具で評価して異常無し。なお、異常の洗い出し目的で負荷試験を行ったが各所に異常は認められなかった。
 (2)一次調査結果をお伝えしたところお客様よりHDDの復元の打診有り。ハードディスク復旧は高額となることと当該PCの内部復元の重要性について再度打合せ実施。低額で出来る範囲のトライをいくつか行うことで合意。
 (3)ソフトウェアやハードウェアなど数種類の治具で復元を試みたが復旧せず。古い予備HDDを別途お借りしてデータの吸出しに成功し、修復完了。なお、内部に経年の大量の埃があり清掃を実施。
 (5)PCとしての単体機能試験及び長時間ランニング試験を行い安定動作を確認し、納品。

FujidensoNotes

 HDDの不調が原因となりPCが起動しなくなった例です。お客様の初期申告では停電後から起動しないとのことでした。PCが起動しなくなるケースでは、一次故障箇所の特定の他 電源断による二次故障の疑いもありますので電源やマザーボードやメモリなど電子部品部分に対する幾つかの切り分け試験や負荷試験が必須です。
 また、HDDのトラブルでは不調原因によってはソフト的に修正できるケースもありますが今回はNGでした。この結果の打合せ時にお客様先に保管された別の古いHDDの存在が明らかになり、結果としてそのHDDから古い環境を吸い上げて当該PCへ移植し無事運用へ戻すことができました。
 HDDの修理代金は専門業者にて ときに100万円前後の高額となる場合があります。もちろん高額でも大切なデータの復元を優先して修理をすべきケースもあります。一方で丁寧な話し合いでお客様のご要望の背景に立ち戻ると高額なコストをかけずとも代替方法でも良いとご判断頂くこともあります。弊社では調査を進める中で適宜お客様とコミュニケーションをとり「過剰修理」にならないよう気を付けております。
 本件では、高額な修理の必要性をお客様とのお打合せにより協議し、復旧したいHDD内部のデータの希少価値や今後のお客様の用途について「コストVS効果」の観点で両社で吟味致しまして、低予算での代替修理方法を採用させて頂きました。なお、本件は弊社の修理後にお客様にてソフト設定を実施しなおすことで運用に支障のないレベルへ復旧しております。

清掃前
清掃前のPCのフロントパネル
修理をお受けしたときにPCの内外は非常に汚れていました。今後の劣化を抑えるためにも修理と清掃はセットとなります。
清掃後
清掃後のPCのフロントパネル

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