レセプトコンピュータとして使用していたPC及びシステム機器一式を私用用途で再利用したいとのご要望に関する関する案件です。
ご依頼内容:開業医のお客様です。レセプトコンピュータのリース満了でリース会社の許可を得たので本体を買い取り、文書作成用のパソコンとして再利用したいとのご相談がありその実務と支援を行いました。お客様にて想定する用途は主に文書やプレゼン資料の作成、インターネット閲覧、及びメール送受信等です。
対象となるレセプトコンピュータはNEC製の産業用コンピュータのFC-P33Wです。産業用コンピュータは作りが堅牢で汎用のコンピュータに比べ高耐久性の電気電子部品を採用していることで長寿命です。さらに当該お客様のレセプトコンピュータのハードディスク構成の仕様はRAIDでのミラーリング構成でありデータの冗長化も可能で正直なところ廃棄するにはもったいないというお客様のお気持ちは理解できました。
一方でレセプトコンピュータに保管されたデータは診療録を含んでおりますので、そのままのソフトウェア構成にて文書作成用途に使い続けることはデータ漏洩の懸念がありお勧めできません。また当該レセプトコンピュータはレセコンとして将来的に使わないとのことでしたが万が一の場合にデータを取り出せるようにして置いた方が良いと考えられましたので下記の「対応内容」にてご提案し、弊社で一括して対応させて頂きました。
対応内容:
(1)レセコン・ハード系:既設HDDを新品のSSDへ交換、メモリ増設、バックアップ電池交換
(2)レセコン・ソフト系:新品SSD換装後に新OS導入、Office系ソフトインストール設定
(3)レセコンのHDD:診療録完全削除・将来の復帰方法・保管方法等のコンサルテーション
(4)改変後のPC(レセコンではない状態)の清掃・動作確認
(5)お客様の新しいPC使用環境の設計と設定(LAN及びシステム構成)
(6)運用説明、OSやアプリなどのソフトウェア記録媒体及びドキュメント等の納品
結果:
レセコンのPCだけでなく、システム一式で購入したモニタ、プリンタ、外付けHDD、ルータなどを含めて再利用して、私用PCとしての運用システム環境を構築致しました。お客様立ち合いでご要望の事項が相違なく実現できていることをご確認頂き検収となりました。
レセプトコンピュータや電子カルテやPACSなど医療用のコンピュータの再利用では、データとして残っている診療録や患者情報及び画像などの検査結果情報を確実に削除することが重要な業務の一つです。弊社では通常このような重要なデータが書き込まれた実績のあるHDDやSSDは、米国国防総省方式( DoD 5220.22-M) に準拠した消去基準で削除し、加えて最終的にHDDやSSDを物理破壊致します。なお、本案件では当該レセプトコンピュータの既設HDDをフォーマットして再利用するのでなく新品SSDへ交換致しておりますので、私用で使われる際にインターネットにレセコンのHDDがさらされる危険は一切無く断片的な情報さえも漏洩する危険性を完全に排除しております。
また次に医療用のコンピュータの再利用で重要なことの一つがソフトウェアライセンスについてです。当該レセプトコンピュータに使われていたNEC製のFAPCのOS(Windows)は産業用途でのメーカ組込みソフトウェアとの共用使用時限定のOSライセンスでありましたので、一般用途のOSを新たに購入いただきインストールしました。業務用途で使われていたPCを私用にて再利用する場合には、元来の製造メーカが想定した使い方とは異なる点についての使用妥当性の調査・検討が必要です。
既に動作しているOSとは別にライセンスを購入する必要がある点などお客様が御懸念を抱く事項について分かり易く、十分な説明を致すことを大切にしております。
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